日常に呼吸を意識しなくてはいけないのは危機的な状況ですから、そこで歌えるわけがありません。ギャップを無理に埋めようとしては却ってうまくいかなくなります。あえて、その拡大版をトレーニングでセットしているのです。それは、無理を承知で無理な状態においているのです。
これをしぜんに長い年月をかけて発声を習得してきた人や、そこでそういう基礎もなく活動している人がみたら、呼吸法など、やらない方がよいと思うのも当然です。その意見に賛同するなら、やらなければよいのです。
荒療法はリスクもあります。しかし、待っていられないなら、より高くを目指すなら、挑むのも一つのアプローチです。
リターンは、人によります。でも、体と呼吸は強くしないと扱えません。この強くということを誤解しないでほしいものです。