ホリプロの堀威夫氏が、「『プロの世界では、教える意志のある人から学ぶものはない』という教えがあると言われている」と聞いたことがあります。
教える意志がある人から教えられることはプロ以前の問題についてで、プロには、そうでない人から自ら盗み取ったものしか使えないということと、私は思います。盗み取るというのは、自ら気づいて学びとり、自分のものにするということです。
一方で、教えようとする人たちは、わかりやすく教えようとします。教わろうとする人もそれを求め、それで選ぶからです。すると、まねしやすい形として示すことになります。それは、早くわかるのですが、プロの世界では役に立たないということになります。
とはいえ、学んで使えないことを知るのは、よいことです。それで次のステップに行ける人もいるからです。このことを気づかなくて、いつまでも学んでいるつもりで空回りしている人も多いと思います。
私は、人から学ぶのでなく、人を通じて学ぶことと思っています。その人にあるものでなく、その人を通じて学べるものがあるか、そういうきっかけを与えてくれる人に出会えるよう努めているかが大切だと思うのです。