私は、レッスン前に提出させるシートで、歌の解釈とどう歌いたいかの意図、イメージ(創造ブラン)を提出させます。そして歌のに、本人のイメージのプランと結果(今回の歌唱の評価)を聞きます。
イメージに結果が追いつかないなら、続けていれば、いつか近づいていきます。イメージ、プランがだめなら、再考です。その練習はムダとはいいませんが、方向違いではあまりよいこととはいえません。9割以上の人はイメージが描けていないか、そこの描き方でのミスです。あとの1割についても可能性としてはありかなというレベルがほとんどです。その延長線上で、いつかできるものでないこともあります。
多くは、その見極めまでに何年かかります。時間をかけるとプランは描けるようになります。つまり、歌の成立する基準と自らの持つ武器がわかってきます。そこを何とか結びつけようとすると、どこに線を引くべきかもわかってくるのです。
しかし、そういうこと=解釈と創造を詰めていかない人は、プロであっても大半は、どうにでも歌えるようになるだけです。それでよいから、歌のうまい人で終わってしまうのです。こうした経緯を辿った歌のうまい人、カラオケのうまい人、ものまねがうまい人がプロになったりトレーナーになったりするのが、最近の傾向です。詳しくは、私の日本の歌手についての「声の二極論」を参考にしてください。