武道家は、いくつもの技を覚えます。そうしたら、あとは本番で自ずと最良の組み合わせで実力を発揮できるということです。1+1+1でなく、1つの技の途中に他の技が入ってくるような、そんな感じでしょうか。
歌がアートなら、詞やメロディも同じかもしれません。
覚えたことの組み合わせでなく、覚えていないことの組み合わせまでもが出てくるのではないでしょうか。
そして、出たところから、自分に何が入っていたのかを確かめるのです。多分、ストーリーができます。
レクチャーでも何度かそういう経験をしました。
美空ひばりが生演奏での一発録りにこだわったのは、それほどのアーティストだったからに他なりません。これまでやったことよりも、これからやることにもっと期待できる、もっと自信があったということです。