プロ歌手のレクチャーなどは、「同じような実演の場をもつ人にはアドバイスとして意味があるけど、他の人には無力」ということも多いのです。プロというのが、声や歌の技術に必ずしも支えられていないところにも無理があります。
一方でトレーナーやヴォイトレ方法論を云々する人も、メンタルトレーナーで終わっていることが多いのではないでしょうか。現場とレッスンの場が結びついて、トレーナーとプロ歌手が結びついてこそ、マックスの効果が上がるものでしょう。
プロ歌手は歌うことに、トレーナーは教えることに専念すればよいのです。しかし、本業が自分の才能を満たせなくなると転移が起きます。それもOKです。ヴォイトレにいろんな人が参入することで、何事も豊かにもなっていく可能性があるのですから。
本人が何を元としているか、そこで欠けているもの、補うべきものは何か、それはどうすればよいか、誰に学べば最良なのか、こういうことについては、トレーナーもヴォーカリストや役者と、もっと考える必要があるのです。