一言で言うと、100の器の人と1000の器の人は見える世界が違うということです。そこで生じる問題も違います。医者やトレーナーを回ってここにいらっしゃる人もいます。なぜ一人の、あるいは一つのところに長くいられなかったのかから考える必要があります。そこの先生たちのすべての教えを吸収し終え、その先生を超えたというのならわかります。そんな人は1パーセントもいません。大体は、よくならないうちに、もっとよいところがあると思ったとか、他の人に勧められて移ったといったところでしょう。
日本はヴォイトレのレベルが低いので、世界で成功したコーチ、トレーナーにつくという人もいます。世界に通じるアスリートやアーティストを育てた人たちはいます。フィジカルトレーナーやメンタルトレーナーにも秀でた人がいます。
声は、心身での状態で大きく左右されますから、声よりもほかの要素を補う方が声もよくなるのです。特に、一般の人は、そういう要素、条件を整えていません。複合的なチェックで、そういうところを補強する、調整するとか強化するのが基本です。
最近のヴォイトレ本には、柔軟、体幹トレ、体力づくり、メントレ中心のものが多くなりました。昔は心身が強い人しかいませんでした。プロになる人は周りからそういうことを求められ、その前に気づき、鍛えていったものでしょう。