機能として、目覚めさせる。
心身を解放し、バランスをとり、合理的に使う。
足らないところを補強、鍛錬する。
体で身につける見本として、表現者やトレーナーを参考にする。
見本といっても、それぞれにタイプも得意不得意(専門)も違うので、それを自分にプラスになるように選ぶのは、ヴォイトレと同じことです。
それなりに時間もかかることでしょう。
この見本の取り違えこそが、うまくいかない最大の要因であることも多いのです。
つまり、自分自身と、憧れの声、歌、アーティストと自分のもっているもの、個性とのギャップのことです。ヴォイトレでの高度な上達を妨げるのです。いかに自分に合った見本を選ぶことが難しく、大切なのかということです。
発声の技術とその土台づくり、さらに表現と音楽性や芸術性、これらは、習得のプロセスでは、お互いに矛盾したり邪魔したりすることもあります。
オペラ歌手のように、目的とそれに必要な条件(期間、到達レベル)が明確な場合は、指導者にプランニングを任せたいものです。
しかし、大体は、目標そのものから明確にする必要があります。そのためには、その世界や自らを知る期間が必要です。
元より、ことばの発音と共鳴でさえ、対立します。
リラックス、自然体というのも、どんな動きや発声もすぐにとれるということですから、大体は、トレーニングと両立しがたいわけです。対立が解消する器に育つまで、トレーニングを続けていくしかないのです。
あなたが一つの声と思っているものでさえ、私には、いろんな声が聞こえてきます。
徹底した精査が必要なのです。