実感のズレについては、イメージからみる必要があります。いつも私は、出口、つまり、ステージで使う声を出口として、そのイメージの入力を正すことを述べてきました。私の「読むだけで声と歌が見違えるほどよくなる本」(音楽之友社刊)に、ヴォイトレのときの声について8つの分類をあげました。復習してみましょう。ここでは、さらに細かくみていきます。
a.憧れの人の声、多くの人はここから入ります。このとき声量、声質、ハスキーなどに憧れるとイメージがそうなります。
a´:憧れの人の声のイメージ、そこに自らの使う声bを似させてしまうのです。カラオケでのものまねならa=a´=bの人が有利です。ですから、bに似たa´を選ぶのが早いわけです。しかし、ヴォイトレは、自分の声から考えます。今の自分の体、喉に合った声のc、トレーニングして自分の理想としての声のc´として、c→c´をメインにします。
<参考>(「読むだけで声と歌が見違えるほどよくなる本」引用 )
g.トレーナーの声
f.自分のあこがれの俳優、ヴォーカリストの声
e.プロとして共通のベースとなる声(俳優、ヴォーカリストなどの鍛えられた声)
d.くせ声
c.今の自分の声(よくない状態のときの声)
b.今の自分の声(よい状態のときの声)
a.今の自分の中で最も使いやすい声(主観的判断でのよい声)
aa.今の自分の中の、最もよい声(「ベターな声」)=将来性のある声(客観的判断)
aaa.将来の「ベストな声」(トレーナーが本人とイメージを共有していくべき理想の声)