ポップスの曲にも、声楽の要素はあるのです。藤山一郎さんや淡谷のり子さんの時代あたりまでさかのぼれば、発声一つとっても簡単に真似できないことでわかるでしょう。しかし、今はこのことの理解は難しいと思われるのです。必要も感じないでしょう。
声楽出身のトレーナーは、判断の基準が、次のこと中心、あるいは、それだけになっています。
1.発声、呼吸法
2.共鳴、声区融合
3.ピッチとリズム(テンポ)、ことばの正しさ
そこにステージングでの個性やノリ、音色などの魅力があまり優先されないのは、仕方ありません。その上で、声ということでは、声楽であろうとポップスであろうと、理想とする発声は同じですから、声楽は使いようによっては、たいそう有益なのです。