アーティストに、アスリートのトレーニングがもたらすヒントはたくさんあります。教本や理論書をたくさん読んでいたら一流になれたでしょうか。いえ、一流の人に接してみると、彼らが読んでいるのは、精神面を鼓舞するものです。
高いレベルの目標設定、それを可能とする具体的なトレーニングがなかったら、どうにもならないということです。
バスケット部なら、監督がNBAのVTRを見せて、ゲームの本質を伝えてみたらどうでしょう。毎日のトレーニングを先輩から言われたままでなく、自分に合わせて創意工夫してやれば、もっと上達するでしょう。そういうことさえ気づかないと、大して上達しないのです。
大切なのは、そういう方法以前の量です。不可能を可能とするトレーニングは、絶対量から始まります。
南海キャンディーズのしずちゃんは韓国のチャンピオンに、一ラウンドで敗れました。「2000時間のトレーニングが、2分で終わった」と、彼女のトレーナーが言っていました。身長、体重で勝っていても、相手はトレーニングを2000時間以上やっていたのでしょう。2000時間は2年で割ると、1日3時間です。
5年やると、あるレベルに達します。それが、つまり1万時間の壁です。