私は、他の人の考えや理論や方法を否定しているのではありません。それがうまくいくのと同じくらいに、うまくいかないこともあるということを知っておくことだと言っているので、誤解のないように。それは私にも、ここのトレーナーにもあてはまるのです。私は、知って対処するように努めています。その違いが大きいのです。
私は、私と考え方や方法の違う他のトレーナーを“有効に”使っています。研究所は、私の考えに基づいて、同じ方法でやることを押しつけないでいます。自由にやらせているようにみえてもセッティングや再セッティングに気をつかっています。生徒さんにはみえないし、再セッティングは、ほとんどの人には必要ないのですが。
前提としては、私のレッスンも他のトレーナーのレッスンも、有効なもの、無効なものがあり、もっとも活かせるような組み方をすればよいということになります。
有効、無効という言い方はやや極端かもしれません。
「ある人においてはあてはまり、ある人にはあてはまらない」というような、おおざっぱなものから、そこに基準をもとうと努めています。同じ人でさえ、状況によって異なります。
「ある目的に対して有効なやり方は、優先させてしまうために、同時に、別の目的に対してはマイナスになることがある」が正確です。
薬と同じで、「早くよく効く薬は、同時に早く大きく何かを損ねている」のです。私はそういう対症療法的な治療には用心しています。漢方薬の方がよいと思っています。しかし、ブレが大きい。だから「長期的に」と言っているのです。
トレーニングやレッスンをあるケースで言いかえると、治療と言ってもよいときもあると思います。
巷でよく売れる本や方法は、どうもそうでないものも多いです。早く成果をあげた分(上達した分)早く行き詰まり、早く限界となるものです。自分自身の発見に至らず、他人のまねを求めて(基準にして)自分の声の限界を早めることが多いのです。