その人の本質をつかむこと、それはとても大変で、私も、まだまだ未熟ですから、そこをスタンスと言い換えています。第三者からみて、その人の今の声や歌がどうなるべきか、なればよいか、この2つをつかむのは、トレーニングの基本でしょう。
プロデューサーなら、歌が「どう」あって、「どう」作品にするのか、「どう」売るのかを見抜く力になるのかもしれません。プロの歌手や役者なら、相手が「どう」であって自分と「どう」違うかはわかるでしょう。トレーナーは、将来への軸をもつ、そこで補助したり変えたりして、次の「どう」を実現させていくのです。
この「どう」を今日の効果にとるのか、5年、10年後の「どう」にとるのかは、全く違うことです。そういう条件をはっきりさせることが、まさにスタンスです。
プロの歌手の半分はきちんとスタンスをもっていらっしゃいます。4分の1は、自己把握していない天然(歌手ならでは)です。あとの4分の1は、ここに来られる人に限られるともいえることですが、白紙→再びスタンスから問いにいらっしゃるケースです(これは、他のスクールやトレーナーのところでは珍しいと思います。ポップスを歌っていて声楽も勉強したいというケースなら、よくあるでしょうが…)。