プロになる人には、声を壊しでもしなければ、その実力をつけるのに医者のような知識はいりません。プロになってからの声の管理などには使えることもありますが、知識は、極端に偏りすぎることを止めてくれることもあります。知識の集大成がある点で常識があります。
医者のヴォイトレは、リハビリです。それは、相手の状態をマイナスからゼロに戻すものです。
本、理論や知識の世界と現実は違います。研究するのは、意味がないわけではありません。科学的というのが、この分野ではあまりに未熟なものだから、まだ役立たないということです。「ヴォイトレで理論好きな人と話が合うためによい」くらいです。そこを中心にしてしまうと、それによってもっと学べることを妨げます。下手に知っているがため上達しない、ということになりかねません。そういうどこにでもいる困った人にならないために、アドバイスしているのです。
研究、理論、科学というなら、仮説として考えることです、保留、()に入れて読むとよいでしょう。ここの膨大なQ&A集も、答えでなく問いのつくり方を学ばせるものとくり返しているのも、似た誤解を与えたくないからです。