“科学的トレーニング法”などが、もてはやされている今や、生理学的な数値や動きを可視化したデータなどで一喜一憂している人が増えているのは、仕方のないことかもしれません。
しかし、そのために真に深めるということがなおざりにされているように思えてなりません。
歌を、カラオケの機器の判定で楽しむなら、まだしも、点数アップに賭けるとなると、ただのゲームとなるのです。
しかし、そういう分野ができ、そういうことを目指す人やそれを助けるトレーナーが出ることについては、否定や批判するつもりはありません。趣味や娯楽、健康や生きがいとしてアマチュアイズムの中で活用されるのは、よいことでしょう。
私が一貫して述べているのは、そうしたものと異なるのではなく、その中にもある本筋としての芸道ということです。
裾野が広がったことで、アマチュアからプロが出てくるのはよいことです。しかし、問題は、そのプロのレベルの向上のことです。ハイレベルになるのなら歓迎ですが、向上心と実力のキープがなされないと、もったいないことになるからです。