声を泉のように無限に出してくる、世界のレベルのアーティストに比べると、日本人の喉はまだまだ弱いでしょう。
現実として、私は日本人の9割の人に対して、喉は消耗品と考えるように言っています。喉には耐久時間や使用の絶対量があり、そのなかで仕事や練習を終わらせることを考えるということです。
月一回、週一回の出番なら、ピッチャーの登板のように翌日から休めて回復させたらよいです。ステージは発声のよさを問うわけでないので、喉に無理な負担がかかるのもやむをえないともいえます。売れるとハードな日常にもさらされるので、喉の負担ゼロが望ましいでしょう。ここはトレーナーの理想論だけでは通じません。
とはいえ、声が体で支えられているところまでは習得しておくこと、体調に万全を期すことが条件でしょう。
毎日、声の仕事をしている人は、喉に疲れを残さぬようにクールダウンしておきたいものです。翌日には元の状態にしておかないと、そのうち無理がきます。大敵は睡眠不足やメンタル面での心配事、おちこみです。気が張っていることで、ステージをもたせている声はハイリスクです。いつもハラハラしてみています。