10代で歌でプロであった人が、20代では歌はふつう、声は人並みですから、無理すると壊す、すると、今はすぐに医者に行きます。そこで、症状としてみられてしまうのです。それは勉強し直すよい機会です。なのに、そこで知識を得て喉を大事に使うことだけに委ねてしまいます。基礎のトレーニングを必要なのを、勘が鈍っているとわからなくなってしまうのです。
日本では、20代以降、知名度やMCでもたせているので実力がついていかない、というのは、実力が相対的に落ちていることの方が多いのでなおさらです。大切なのは声力、歌力、ステージ力を分けて考えることです。
シンガーかエンターティナーかアーティストか、そこも微妙で、大半はマルチタレント化して、声など省みられないから壊して医者にいくまで自覚がないのです。
医者や調整のせざるをえないときのヴォイストレーナーは、プロの次元でなく、一般、いや病人のケア、リハビリの次元で処すのです。そこは区分けしないと元の次元で、できなくなります。
もちろん、プロといえども、アイドル、モデルなどの出身の人は別です。ルックス、ファッション、ダンスでなく、歌唱力、声の力で成した人に限ります。そうでないケースは、ステージとしての次元が高かったのです。
天性の素質や勘でやってこれた希少なヴォーカリストへの対応は、次元のことだけではありません。しかし、そこで失われたものが原因ですからトレーニングで補うことが必然になります。インプットから高次なものに引き上げます。そのために次元の低いところでの問題、特に、喉など部分的にあまり囚われないことです。低次元で悪循環になってしまうからです。ミスターのこと、長嶋さんはスランプでもデータ分析をしたり医者には頼らずに、その日の練習を増やしました。それが長いスランプに陥いらなかった要因です。ここは1パーセントにも満たない人のために述べたところです。