教えるということ、あるいは、伝えることでもよいのですが、それには二つの必要条件があります。まず、「自分が、あることを知っている、できること」、です。あなたが日本語を教えるとしましょう。すると、あなたは日本語を知っていて、できる(話せる、書ける、読める、聴ける)ことが必要です。
日本で育った日本人なら、日本語は知っているし、できます。でも、それを教えられるか、伝えられるかというと、「それについて相手が、どう受け止められるかを知っていること」が、次に必要になります。
アメリカ人になら、あなたが英語を話せると、かなりスムーズに日本語を教えられます。でも、アメリカ人ばかりに教えている人が、中国人を教える相手にすると苦労するでしょう。
つまり、相手の言語を知ることが必要なのです。それと比べてこそ、自国語の特殊性がわかります。そこの違いから切り込むと、効率よく教えられるようになります。
単語、文法、発音、リスニング、読解などに分けるのは、共通した法則を覚えることで、学びを効率化させるためです。方言しか話せない人が共通語を学ぶときも同じです。それぞれにグレード、難易度をつけて、簡単な方やよく使う方から入るのがノウハウです。