医者がポリープの手術をして元通りにする。これも本当は、2週間以上、ケースによって違いますが、できたら何か月かの休みをとる必要があります。ですから、その日に解決しません。
声が出ない、でもステロイドで出せるようになります。この方が例としてはよいでしょう。つまり、医療は治療であり、元よりよくなるのではないのです。
言語聴覚士(ST)のトレーニングも、本来はリハビリです。マイナスをゼロにすることと、再びマイナスにならないようにする、なりにくくする、なってもゼロに戻しやすくするということです。そこまでできたら充分すぎる効果なのです。
それは、私の考えるヴォイトレとは違います。調子を崩したから元に戻すというのは調整です。心身の回復、喉や発声法や共鳴などの状態をよくするのは、トレーニングではなく対処です。私のよく言う、使い方での修正です。今の日本のヴォイトレのほとんどは、こういう類のものです。