今の身体のままでいくら調整しても、それは、型を理論通りに覚えるのに精一杯でしょう。それだけでは、足が動かず、飛んだり跳ねたりもできず、居ついてしまいます。
強さと細やかさの両立、それを、かつては強さにだけ、今は細やかさというかナイーブ、繊細さだけで片付けようとしているように思うことが多くなりました。
大きな声を出して歌っていた、せりふを言っていた、それが小さくて通る声になる、そうしたプロセスの方が理想なのに、今や、ほとんどの人は、そうしようとしません。なぜ、そうしないのでしょう。目先の効果だけを急ぐからです。今のままでうまくなろうとするからです。
居つくとは、よくない、反応できない状態などで使わることばです。足が床について、離れないイメージです。これでは勝負に勝てません。