29.ブレスヴォイストレーニングメソッド
ここの場合、ポップスを歌う歌手のように、声だけではプロかどうかわからないというあいまいさはありません。鍛えなくては出せない声とそのコントロール力で示せるかをみるからです。 コントロール力とつけたのは、まれに素人でも、職業のためか何の成果か知…
ヴォイトレメニュもノウハウも、人によって、時期によって変わるものです。つまり、そこはどうでもよいものなのです。 私の伝えたいもの、作品、アーティストは、研究所を始める前からほとんど変わっていません。それは基礎であり、研究所の本質的なものです…
知識は、余計なものとして、トレーニングの邪魔をすることがよくあります。 同じく、考えることも、考え方によってはマイナスの作用をします。情報も同じです。 多くのケースでは、考える訓練が足りませんが、そこを言ってはキリがありません。 だから、トレ…
トレーニングは、きついほど、辛いほどよいわけではありません。効果的ではないということが、必ずしもよくないことでもないわけです。 しかし、それによって、発見したり、覚えることもあります。異なる体験、刺激となるからです。
芸は、全体や構成を細かくみて写し取っていないと通じません。 状況を汲んでの再現が必要です。 書でいうと、文字ではなく、書道家の動き全体をみているのかということです。
声先とは、声の描く先です。発声では、私は、声の線と言っています。 歌唱では、それが何を描くかの全体を時空でみなくてはなりません。 習字でいうと、字形、いや、そのインパクトでしょうか。そのために、発声もまた、筆先がバラけてはだめなのです。とこ…
基本がわからないうちは、とにかく実践をやりたがるものです。 しかし、基本がわかってくると、それなしには実践もできないことがわかるのです。
すぐにコピーできるように追い込まれないと、耳も体も心も声も、鋭くは働かないものです。そういうことでは、実践的な場として、レッスンがそのようにあることは、とても大切です。 なんせ、人前で1回だけみせる芸でしたら、いつも出たとこ勝負です。そこに…
出だしかサビの1フレーズで、4~8秒で、大体、声の実力というのはわかります。 あとは、どこかに取り柄や、活かせる可能性のあるところがないかを探して1コーラスを聞いているようなものです。
古典芸、伝統音楽などでは、師匠のを聞く、一緒にやる、そして一人でやるという三つが稽古です。 本来は録音などに頼らずに、耳と体へ直接、の叩き込んでいき、力を磨くのです。 すると、自ずと聞くことに時間がかけることになります。 ダメなものは、何回や…
型ゆえに、最初は形を感じ、型にはまり、硬く固まるものです。 心身と感覚が整ってきたら、ようやく心地よく一体になっていくのです。 これは、遠回りして先の先にいく手段です。 すぐに少し声がよくなることを目指すくらいなら、マッサージや整体でも充分で…
こちらの言うことがわからないうちは、まだ何も進んでいないのです。 ですから、説明をしたり、しなかったりしますが、どちらでも同じなのです。 どちらも一長一短があります。 なのに、ことばを求める人が多くなってきたので、それに応じています。 わかっ…
習熟してくると、道具が自らの意志で動くようになるように感じられてきます。足も手も表情も、そして、声もです。 それをヴォイトレでは、声からアプローチするのです。 声が自らどう動きたいか、そういう対話ができる関係になるのには、ゆうに10年かかるの…
最初、発声に関して、「どうしてやり方や説明が人によって違うのか」と考えたものです。 でも、「こうなっている」とか、「そう伝わってきた」というのは理屈なしです。 それがそれゆえにもっとも強いのです。 日本人であれば、芸の始源をそこを江戸時代、も…
報告やレポート、アンケートでは、そこに本人が自らの意志で、どのくらい関わろうとしているのかということを読みます。 なかには、「提出するように」と言われたから、「大して、そのように思ってもいないけど書いてみた」というようなものもあります。 何…
100パーセントの「よいレッスン」も「よいトレーニング」もなければ、100パーセントの「よくないレッスン」、「よくないトレーニング」もありません。 TPOや目的、レベル、それに、あなたの個性も含めて、それぞれ違います。 その時期、そのとき、その日でも…
レッスン、トレーニングでも同じです。 相手やトレーナーが介在すると、すでに特別な状況となるのです。 「あいまいで確定できず絶対的でない」ゆえに、しぜんに捉えておく方が「絶対に正しいもの」などを追求するよりも現実的で真理なのです。 自分=人を自…
「フィジカルなパワーは養成しやすい」ゆえに、「体は変えやすい」のは確かです。 そこでもメンタルが大きく問われるのは無論ですが、「メンタルはフィジカルに支えられ、フィジカルの強化にも使える」のです。 となると、パワーの上限をマックスまで上げて…
リスクを抑え効率化することをトレーニングで考えると、それに反しかねません。 トレーニングには自ずと理想像ができてくるからです。 一つのものを求めるところでは似たタイプが多くなるのは、当然の成り行きです。 模範的な正解というのが必ず出てきてしま…
「マックスを恐れないが、マックスにしない」 トレーニングでは、最大限、100パーセント、力を養います。そして、実際には、加減して使うということです。力というのは、甚だあいまいなことばです。 全力というのが何パーセントとかいうのは、100パーセント…
私としては、これまで、「トレーニングは、100パーセントの力を120、200パーセントにしていく」とか、「本番は70パーセントで」とか、そのときどきに変えて使ってきました。ですから、これもイメージ言語の一つといってもよいでしょう。
目標レベルを下げるほど、マニュアル漬けになっていくともいえるのです。 自己陶酔で終わる思い込みは危険でもありますが、思い込みからしか始まらない、突き抜けられない世界もあるのです。 それを支えるだけの下積みができるシステムがあるのかが問われて…
今、持っている条件そのものを変えなくては、大して上達しません。 そのベースである器が大きくならないからです。 それを行うのが、本来、基礎トレーニングです。 ヴォイトレそのものは、将来のために行うものですが、将来は将来、今は今として、結果を出す…
一回のレッスンでもわかる人はわかると私は思っています。 ただ、いろんなところで学んできた人ほど、基礎の基礎を入れていないのに、頭で考えて、わからなくなっていることが多いようです。 トレーナーは、神ではないのです。 そのトレーナーのひいた路線に…
私は、相対的に比べて、判断をしています。 それが仕事でもあるのですが、柔軟に取り扱わないと固定観念にもなるので いつも考えています。 一流のものと、比較するとネガティブになりがちだからです。 よくないところをよくするのが練習ですから、 そこにこ…
トレーニングは、目的を早く達成するために行うというだけではありません。 人間、トレーニングによってでないと到達できないレベルもあります。 そちらの方が、私は、ヴォイストレーニングの本意だと思っています。 何もトレーニングもせずに、歌ったり話し…
状態をよくして声を整えていくのですが、本当によくしたいのなら、条件を取得していかなくてはなりません。形だけでなく、フォームとして支えられるように補強していくのです。そこには、体や呼吸、喉の筋肉の鍛錬が不可欠です。 しかし、そこを急ぐとバラン…
調心、調身、調息で、「調声」となります。 「調声」とは、私の造語です。 私の立場からみると、宗教、特に仏教、なかでも、禅などと気功、ヨーガなどは、同じようなものを目指すといってもよいでしょう。
日本の声楽では、当初の圧倒的なギャップの克服から、メソッドが使われてきたのです。 そこで実績があったのです。クリエイティブでないのを承知で、私は、アンチ声楽でもあったのに取り入れ、移行させてきたのです。 少なくても、フィジカル、メンタル面で…
かつての歌手も役者も、どんな一流の人でも、「ヴォイトレをしていなかった」という事実と、ヴォイトレをした人が、そういう人の実力を超えているわけではないという結果をふまえておくことです。 しかし、それはヴォイトレという名で呼ばないだけで、「実質…