いつも私は、あなた自身が、具体的に詰めていくために、必要なことを述べているつもりです。個別にしか成立しないと思われている個人レッスンで、何名もの出自の異にするトレーナーと一緒に行っているのもそのためです。
1.あなた自身のこと(体、感覚)(生まれ、育ち)
2.あなたの目的のこと
1が基礎、2が表現です。この2つを抜くとヴォイトレは、あいまいになります。
人間の体としての共通要素のところでは「できた―できてない」という基準をつけると、基礎としての集団トレーニングもできます。レクチャーや文章でも伝えられることをこうして述べています。
歌や演技でのせりふとしても、「うまい―へた」くらいは、共通に望まれる表現を目的とするなら、大きくは同じような指導方法がとれます。
私はカラオケ教室やその先生を批判しているのではありません。
問題とすることが違います。私の考える基礎や表現に「できた」とか「うまい」ということが入っていません。
プロになれるのとプロとしてやっていけることは違います。オーディションに通るのと、作品で一流の実績を残せるのは違います。レベルも目的も、問われる条件も違うものです。多くの人は、その一歩としては同じと思うのです。私は違うと思うので、この問題は後述します。
本やネットでも、ヴォイトレに対して、意見や考え、ときには熱心な議論が行われています。質疑応答も行われています。私は関与していません。本人不在では、ほとんど意味がないからです。
この分野で本を出し、ヴォイトレのQ&Aサイトを提供している私がいうのですから、説得力はあるでしょう。
なのに、この連載も含めて、いつも述べ続けているのは、そこからあなた自身のこととして考えてほしいからです。これは研究所内外での私の仕事とも密接に関わっています。私には毎日の仕事や生活の一環です。