夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

表現の定量化

プロとして問われる音声の表現力を100とおいて、100%とします。すると、声は10、歌は10、このあたりが当初、私の考えていた歌い手の条件でした。声の基礎や歌の基礎をやりつつ(あるいは、習わなくとも自らできていて)、声がよい、歌が上手いというレベルで、声10+歌10=計20です。これで、のど自慢なら入賞できるでしょう。しかし、それなりのプロの表現者とは5倍ほどの開きがあります。

 そこでヴォイトレで、声をオリジナルの声として100%開花させていく方向で、自分の声、本物の声を問うていくのです。

 そうなりたいと来る人に支えられてきた研究所ですが、声の定義はありません。声はオリジナルです。でも、このオリジナルを本当に目指せる人は、残念ながら、それほど多くありません。

 自分でない声、偽物の声、がもし使われているとしても、それは、本音に対する建前と同じく、世の中では必要とされるからです。仕事上、丁寧な声を使い、普段は粗っぽい声でしゃべるとしたら、声として求められている価値は、仕事で使っている声にあります。

 本人が、それを「自分の本当の声はでない」と思っても、仕事は相手の求めるものに応えることです。歌や舞台のせりふも自分の思う自分の声よりも、他者の求める役割の声が必要とされるのです。

特に日本は、一般の仕事でも舞台でも、この差が大きいのです。これは、ヴォイトレでの声づくりを妨げる二重構造として、私が指摘してきた通りです。