ヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

プロへのステップ

チベットにティンシャという直径7センチくらいの2つの皿のようなものをぶつけ、澄んだ音を出す鐘があります。その鐘を鳴らしてみてください。5回鳴らしたうちのもっともよいのを選んでください。それはあなたにもわかるし周りの人もわかるでしょう。その1回の音色を5回続けて出せますか。できるまでに何日かかかるでしょう。次に同じようにできたら、また、その5回のなかでもっともよいのを選べますか。こうしているうちに、少しずつ聞く耳と技量がステップアップしていくでしょう。いずれ、10回、20回と全く同じに出せるようになるはずです。50回、100回できるようになったとしたら、それが基礎力のようなものです。

 トレーナーとして、本人が声を100回そろえていく力をみるなかで判断します。100を覚えて、分類し、違いをトレーナーは言語化して説明、あるいは、似させて実演します。

ほとんどの人は、どこかの段階で違いがわからなくなるか、できなくなります。そして、何らかの手を打たなくてはならなくなります。そこに使うのが方法やメニュです。それをもっともよいタイミングで、もっとも適切なものとして与えるのが本当のトレーナーの仕事です。つまり、声でなく、声を引き出す手段を与えるのは、耳の仕事です。

 たとえば、卓球台の両端に置いたピンポン玉を石川佳純選手は2回のスマッシュで2つとも落とします。土門拳氏はライカというカメラを買って、毎日1000回シャッターだけ切る練習をしたといいます。あらゆる仕事の本当の基礎力は、シンプルで明確です。

 判断は、最初だから難しいのではありません。初心者が木刀を振るようなもので、10のうちのもっともよい1は誰もがわかる。それは、振るのが初心者レベルだからです。ほとんど自分のもつイメージよりも乱れているからです。判断の力が実力より上にあるのです。

 しかし、上達すると周りはわからなくなり、本人のみが、わかるようになります。そのためのトレーニングをくり返ししていくからです。その逆ではだめです。本人のわからないものもわかる。それが、プロのトレーナーなのです。

 これに関連して、歌を100回うち1回しか歌わないがアマチュア、100回聞いて1回歌うのがプロということです。これは復習方法の革新です。