カラオケの点数のように表面上の判断でうまくなるというのは、ピアノでいうと自動演奏ピアノの演奏です。それは、子供や習ってすぐの大人よりはうまくなるでしょう。ミスもなく、メロディ、リズムも正確です。しかし、そのコンサートはありません。いや、イスにモデルが座っていたら、日本ならありうるでしょう。
新車発表のコンパニオンやレースクイーンの役割のようなものでしょうか。本来、ピアノのコンサートは、ピアニストの個性、演奏のオリジナリティを聴く人が観客だからです。
バイオリンあたりになると、日本人の判断は怪しいどころではないでしょう。歌は怪しいどころか、口パクもありですから、果たしてどこまで歌や声や本人のオリジナリティで評価されているものでしょうか。ただでさえ人の声とことばは、楽器の音や演奏のように客観的な比較は難しいのです。ですから、歌に限って述べます。
これを、音程、リズム、発音での判断となると、論じるレベルが下がります。そこはカラオケの先生やヴォーカルのアドバイザーに任せて、まっとうに歌えるという判断でいきたいものです。
今のヴォーカルの大半は、シンガーソングライターであり、作詞作曲、自演ですから、現実的にはアレンジやステージパフォーマンスまでの総合点となります。私はこれらのうち、声からの歌に、声からのパフォーマンスに限定します。
カバーアルバム全盛時代となりました。しかし、それらもスタンダードナンバーでの実力、オリジナリティを比べるものとして使えます。