日本で最も変わってきたのは、芸とは、10年どころか一生かかるものであったのに、それを早く一定の水準まで到達することを目標にし出したところです。そのくらいでもプロといえるようになったこともあるでしょう。有名大学に入ればそこでOK、有名企業に入れば生涯安泰、アナウンサーはTV局に入ればもうなれる。若い年齢優先の日本においては、「早く」が大きな価値です。で形から入り、そのまま応用として現場に行くのです。つまり、基本づくりの期間が充分にとれません。
もう一つは、見えることに囚われることです。すぐに高い声、3オクターブ、カラオケで○○点とれる、など。歌では、声域や高い音に届くという、声楽ならともかくポップスなら無用の価値観がはこびりました。
ポップスはkeyが自由なのですから、自分で移行したり編曲すればよいのです。声域は広い方がよいとしても、1オクターブそこそこくらいで充分です。まるでクラシック(他人の作品を、その時代のものとして、そのまま原調で歌う)のようにしているのです。
かつては、声の大きい人が歌手や役者、アナウンサーの条件でした。その後は、あまり声量や共鳴が問われず、他の事がテクニカルにノウハウが高まったのです。☆