マイナスからゼロに戻すのは、トレーニングでなくケアです。それが必要なケースも当然あります。いや、むしろ、今の日本では、本人がそれを望んでいるケースがほとんどです。ですから、ヴォイトレでもケアがメインになり本流になりつつあります。私がそれを勧めてこなかった理由をまとめておきます。
1. ケアはトレーニングではない。
ケアがトレーニングの前提となるケースはあります。前提と目的を取り違える人も多く、トレーナーにもその傾向が強くなっています。
2. 守りでなく攻め、次のことを考えなくては、衰える。
「バッテリー理論」で述べたように、いくら回復させようとしても、それだけでは総力は目減りしていくのです。
3.調整や回復しても、実力がつくことはない。
早く楽に少しよくなるくらいのことは、トレーンングと私は考えていないのです。そこは、医者やメンタルコーチの担当で、トレーナーもその一部として引き受けるというくらいのものです。