夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

カムバック

現実的には、回復を優先する必要があることは、少なくありません。

 第一に、ケアそのものが目的のとき、医者からの紹介の人などです。手術後のリハビリのケアは、トレーンングではありません。言語聴覚士の役割に近いところで、ケアとなります。このときも、本来は、回復後のプランをたてておくことです。そうなった原因を突き止めて回避するためです。それだけでは根本的な解決にはなりません。

多くの人は、発声や呼吸の方法が悪かったから直せばよいと言うのですが、求められるレベルが本人の実力よりも高くなれば同じことが起きるのです。だから、前よりも長く強く声を使わないようにする、というのでは何ら解決していきません。陸上選手に「このタイムより速く走ると怪我をするから、これより速く走るな」と言うようなものです。必要なのは、a喉の回復、b実力の回復、cさらに実力をつける、cは、本人のやる気と希望次第です。

 第二に、ベテラン勢、元プロ歌手(日本では、一度プロとなれば、その後はいつもプロ歌手として扱われますから本当に甘いのですが)などで元の実力がなくなっているケースです。体力など、体のメンテナンスはするのに、声はしないまま、歌を復習して備えているだけです。日本の聴衆は、昔の歌と同じことの再現を求めます。本人と合わなくなっているのを無理に昔に合わせたがるのです。となると、若い頃の本人のものまねレッスンとなることが多いです。プロは、と述べましたがアマチュアにも多いです。

 加齢のために生じている問題、これは元より基礎がないことで出てきたのですから、まさに「バッテリー理論」を地で行くものです。

 第三に、不調なのにステージが目前にある、あるいは、常時ある場合です。