どんなにできなくとも、感じとれるなら先があります。感じとれなければ、感じとれるように努めましょう。感じなければ感動もしないのです。感じとれるからできるようになるのです。
次に感じたことを自らやろうとしても、うまく一致しなくなるから、基礎条件が必要なのです。その一つが声力です。「役者の声」と私が述べてきたものです。その下に呼吸、体があります。支えとも呼ばれます。
感じられる、みえないものに感じていき、みえるようにしていくことが前提です。かつて、私は、レッスン時間の9割を聴くことに使っていました。それは感じることの絶対量不足を補うことが必要だったからです。音や声から体や支えを感じていくのです。感覚の系の強化が必要なのです。