ヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

喉でなく脳の違い

 調律が必要な楽器は、狂いがあれば、うまく演奏できません。声は声帯がうまくくっつかない―ポリープや声帯結節など、どうしようもないのは、休ませて回復を待つか、手術などで元の音を出るようにしないと難しいでしょう。

 喉については複雑です。医者が処置をした方がいいケースもあります。しかし、発声に対しては、個人差もあり、喉で調整するよりは、体全体から発声において調整していくことが、何よりも大切です。

 

 ヴォイストレーナーが、発声のメカニズムを知っていても「喉頭のなかの声帯をこのように閉めなさい」と言わないのはどうしてでしょう。

なかには喉を閉めることを教えるトレーナーもいて、私はそれを否定するのではありません。外国人トレーナーにもいます。

 問題は、発声を体との関係で覚えて、発声、歌唱に有利な変化をしていっているかということです。

 注意することは、一人ひとりの喉が違うために、この変化について絶対無比に正しいプロセスはないことです。細かくみるのなら、一人ひとり違ってくるのです(これについては、以下に再録する「ロマのバイオリンの話」を参考にしてください)。

「表現やオリジナリティを踏まえて述べるなら、私はロマのバイオリニスト、あるいはインドのカースト制度下で音楽を生業としていた人たちの演奏を思い出します。楽器は、ボロボロの寄木のようなものから本人自身がつくります。手製でも、その耳とそれぞれの楽器に合わせた調整や、それを活かす演奏がプロフェッショナルなのです。楽器を半分つくり変えるほどの調整もしてしまうのです。[中略]私はあなたに、ここに述べたロマのすぐれた演奏家を目指して欲しいのです。自分のがどんな楽器であれ、それを疑わず自分流に最大限に活かせる工夫をして、最高に使い切るつもりでトレーニングにのぞんで欲しいのです」