私が水泳のときに感じたことを述べます。あるとき、緩めること―力の逃がし方、リカバリー、クッション、流れにのる、妨げないというのがつながりました。最初はばらばらの動きが、つながった瞬間、体が水に乗るのがわかりました。それをコツ、タイミングというのです。
いくら本で読んでも体(腕や足)をもって実際に動かさないと、身につかないものです。独学でフォームが身につけられる人は、一割もいないと思います。
それはフォームができるのに筋力や関節の柔軟などの準備がいるからです。その上で、イメージ―全体、流れが感じられるほど脱力できることが必要です。それを支えるためには、体力、筋力が整うのと、それを合理的に使うのとの矛盾を昇華しないとなりません。支えられないと、正しいフォームにならないのです。
体と一つになること、そのイメージは、そう簡単につかめるものではありません。
バスケットのシュートで「膝からシュート」と教わるのは、まさにそういうことです。腕の操作を気にしていては、全体は一つになりようがないです。
プロとアマチュアの違いは、全体を使うか、部分を使うかともいえます。部分を使うと疲れが早くきます。正確さにも欠けます。しかし、固めやすいので、早く習得しようとするとそうなりがちです。
これは初心者のテニスと同じです。手先ばかり動き、器用にラケットにあてて返しても、勝つことは、できません。素振りでフォームを体で覚えていないからです。部分的に固めて打つのをやめ、腰中心にフォームで打つことを強制されて、矯正されるのです。それを覚えたら、最初は大変でも、よりパワフルになります。完全な正確さも求められると必ずそうなります。手先のスマッシュでは持続は不可能だからです。
発声も同じでしょう。私は、腰から声を出していますから8時間声を出しても影響ありません。それだけでも聞きにいらしてはいかがでしょう。