喉を潰したら医者に行く、そこでヴォイトレを紹介されたら、それは治療より発声う合呼吸に原因があるわけです。しかし、そう判断できる医者は多くありません。また、紹介できるトレーナーと本人とのマッチングなどの検証も、さほどできていないでしょう。
となると、ここでの選択も、実績があり安全が第一ということになります。しかし、ここで優先される実績は、上達でなく、安全にかかってくるのです。多くの人にとって安全、つまり、一般的に対応する、偏りのない、リスクのないトレーニングがよいとなるわけです。そこが医者の判断の限界なのです。医者は治療するのが仕事です。元に戻すまででよいのです。問題はトレーナーもこうした医者と同じようになりつつあることです。
本当は、「戻す」のでなく、「変える」ことです。トレーニングというなら調整しつつも鍛えることです。
声の障害も、若い頃のように声が出なくなったケース、2、3年前のように声が出ないというケース、1か月前のように声が出ないというケースと、それぞれに違います。
何よりも「それ以上」(前以上の上達)の必要性をどう考えるかです。治すというのは戻すことです。
でも、私は、いつも「それ以上」からみているのです。戻すといっても、戻っただけなら、また過度に使うと悪くなる可能性が大きいからです。事実、一度は悪くなったのですから、すでにズレているのです。戻して、安全に使うようにと制限をかけることを教えるから、大きく伸びなくなるともいえるのです。☆☆