夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

21.アーカイブ/研究所史/そのほか

「よい状態」で知る

かつて、10年ほど続けて合宿で軽井沢に行ったのは、心身を解放された場でリラックスと集中を感じさせたかったからです。スタジオの次元と異なる深さで体験させたかったからです。 いい状態にするのに時間をかけるのでなく、「いい状態から始めたい」なら、い…

スタンス

私の手伝いをさせていたトレーナーがあるとき、私の全体評(ステージ実演のコメント)のあとに自分も「私と同じことを、寸分たがわずにノートに書いた」と言っていました。「10年もいたからわかること」と思いました。 評というのは、歌への評価ですが、本当…

時間と静寂さ

音楽やせりふは、時間のアートです。時間をどうみるかです。これは「永遠の問い」にも通じます。ともかくも、無音から一つの音やその動きに集中して、ゆっくりと学ばなくてはなりません。 私は、ピアノ伴奏に頼らせずアカペラをメインにしています。何でも描…

対し方

私はかつて、研究生の出してくるレポートに、論を返していました。私のスタンスをもって否定してくる人にも対峙してきたのです。そこで時間をかけて答える姿勢を保ち続けることが私の生きることの一部でした。 ところが、対し方を伝えたいのに、その論の正誤…

我を出す

昔は、「自分を出すような歌はうるさいから、声に委ねろ」と言っていたのに、今は「自分を出して歌ってください」と言っています。 表現力は、体力とメンタルに支えられます。その我が弱くなると、その人の生き方、生き様が出てこないのです。 歌が、メロデ…

起こる

ステージですから、何かが起こったらわかります。わかってこそ、「起こった」といえます。 起こらなければ失敗、というよりも、勝負以前なのです。何かを起こすかどうかは別として、出したところで何かが起きなければ表現ではないのです。 それが、私がいち…

共感

学び手が引き出すトレーナーの能力について述べます。 かつて、私は、研究所のライブのステージを見て、一言も語りませんでした。そこの場は真剣に臨む人が多くいて、それだけでことばは必要としなかったからです。 私がうしろにいて、空気を緊張させていれ…

正しいと言うな

声に正誤はありません。あるのは深さです。それゆえ、程度とできの問題です。ですから、一つの方法でなく、いろんなやり方、アプローチがあり、プロセスがあり、効果があります。 せりふは、ことばとしては、子音で共鳴を妨げます。具体的な意味内容を得られ…

位置づけ

私のように何十タイプものトレーナーや何百タイプもの人を何年もみてきても完全にわかるわけではありません。わからないゆえに、選ばずに新しい人を引き受けてきました。400人くらいの人を毎月、グループで続けて10年以上みていたことは、今となっては、願っ…

トレーナーの学びと使い方

日本人に「主体性」を気づかせるのは、殊のほか難しいものです。レッスンをマンツーマンにしたのもグループでの主体性が失われてきたからです。 間違えないでほしいのは、方法やメニュの差異を比較して、トレーナーの優劣を決めても仕方ないということです。…

制限と判断

私は、グループレッスンのときから、他のトレーナーを使っていました。個人レッスンもトレーナーにやらせていました。「福島のレッスンよりも、他のトレーナーのレッスンの方がいい」という人も出てきました。 それは、最初、私が分担したくて、そうして成り…

反駁を反証する

私は、声の分野では、最も多くのレッスンを言語化してきました。自らのレッスンだけでなく、他人のレッスンをも記録してきました。それ以上に、多くの人に、ことばにしてもらったのを記録し、比較、検証してきたのです。 生徒はもとよりトレーナーやゲストに…

プログラムのないこと

「何か」があるらしいというのはわかるが、まだわかっていないので、そのことにアプローチしていく。それは「後になって身につく」という漠然とした予感からスタートします。 その答えは人生の後半にわかるか、もしかすると死ぬときにまでわかりません。一流…

知恵

宗教、哲学、芸術は、真理を求めて、それぞれのアプローチで成立してきたのです。芸や武道、スポーツも、発明や研究など、すべて人間の高度な活動には理があります。そこを本質として捉えられるか、その経験を得られるのか、それをレッスンという場は与えて…

声楽を使う理由

アイドルの話を持ち出したのは、私が最初に関わって、もう30年になることと、その縁でいろんなところからいらっしゃるからです。 最初は「ステージのための声の調整」がメインでした。時間的に基礎づくりをできなかったために、私が研究所を一般の人が長期的…

アイドルのレッスン

ここには何名か、日本でメジャーな会社のアーティストがきています。発声に声楽の基礎を身につけさせています。 大した基礎もなく、現場に出される日本の業界は特別です。かつては20歳大半ばで使い捨てでしたが、今は、あまり年齢で決めつけられないところは…

削ぎ磨いていく

二十代の頃は何もかも一人でやろうとして、あまりに膨大なやるべきこと、知るべきこと、生徒の数やレッスンの量に忙殺されました。 まわりは、レッスンだけでも大変な私に、ステージから打ち上げ、合宿からライブ、研修、構成、取材、執筆と、歌えや踊れや、…

研究の3条件

スタッフやトレーナーの質とともに、いらっしゃる人の質も大切です。数だけではありません。勤勉な人の声に接することが何よりも大切です。 私たちトレーナーは、そのときの症状のよしあしを診る医者ではなく、将来に向けて力をつけさせることが役割だからで…

事例研究

毎月何十人、トレーナーも入れると何百人とのレッスンでの接点をもつ、この研究所では、日々いろんな問題が生じます。あるものは持ち込まれ検討に、あるものは新たに対策をたて、あるものは改めることを余議なくされています。いつも対処に追われています。 …

最高の作品☆

私は、「歌手も消えて歌が残る」「歌が消えて人間が残る」こういう2つのステージを最高のものとしてみたことがあります。「声が消えて歌が残る」「人が消えて魂が残る」そういうのにあたった経験もあります。ここでの結論は「楽譜が消えて歌が残る」で充分だ…

楽譜の研究

私がもっとも楽譜の研究をしたのは、当初、プロへのヴォイトレを始めたときと、90年代初頭、グループレッスンの初期、すぐれたヴォーカリストの卵たちが集まってきたときです。ともに、歌唱力も発音も、音感、リズム感もすぐれている人を相手にしたからです…

よいもの

歌以外の人をみることが多くなっていますが、オペラ、邦楽に関わらず、歌手という職の存在意義が問われていると思うのです。安全で安心な人だけが求められる状況が、舞台をつまらなくしてしまうのです。 宝塚歌劇団や藤原歌劇団も、当初はそうでなかったはず…

耳づくり

研究所の当初の目的の一つは、100人に1人のアーティストと99人の耳のよい客をつくることでした。これを20年くり返してスターが20人出たら、日本はおろか、世界も変えられるのです。私でなくアーティストたちによって変わるのです。 オペラの養成所として莫…

しぜんのレベル

私も無理して背伸びする時間があったからこそ、今があるのですが、ここ4、5年、トレーニングを再開して、確かに声の調子がよくなったので、自分のメソッドのよさを実感しています。どのメソッドも、そのまま他人に通じるわけではありませんが。 私は、舞台を…

プログラム化

これまでにもボディビルダーやフィジカルトレーナーのように体のつくりそのものを研究してきました。いつか毎日のトレーニングメニュや食事など、24時間の管理において、ベストのプログラムを実現していくのは、トレーナーの夢でしょう。 「貴方は、この項目…

筋肉と声

向こうの曲に関西弁をつけて大ヒットをとばした歌手が、私のところに向こうのレベルの声と体を求めてきたことがあります。そのころの私は、まだ体についての理解が十分ではなかったので、彼は、イチローのトレーナーのところに行きました。「1ヶ月で太ももが…

本質の話~総合化と個別化

声のまわりの問題を総合してから、その人自身の声そのものの問題に焦点をあてます。そこで、声はどのように鍛えられていくかということをみてきました。 ヴォイストレーナーも成果を急がされ、プロデューサーや演出家的のような役割を求められています。その…

ライブラリー☆

研究所には、アメリカのセス・リグスはじめ、イギリス、フランス、中国の発声のプログラムや音源、教材などがあります。日本のものは、この30年内のものは揃えています。高木東六さんや曽我さん、遠藤さん、松田トシ(敏江)さんのも。今の30代のトレーナー…

応用、進化、分化

私は、才能があり努力する人たちと、トレーニングを応用、進化、分化させていきました。研究所も、声づくりだけを専らやるところだったのに、歌からステージ、せりふからビジネスのプレゼンテーションなどに広がっていったのです。プロセスは以前にも詳しく…

万能薬はない

研究所で私が学べたことは、一つの方法をもって、すべてのタイプ、すべての時期にはうまく当てはまらないということでした。トレーナーの違い、方法の違いは、生徒の違いと同じく、どこで同じ、違うと分けることが、すでに偏りなのです。その判断自体が価値…