夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

04.発音/言葉

共通語の誕生

日本ではずっと、中央は京(京都、奈良)でした。近世になり、江戸(東京)になったわけです。江戸でも初期の頃の文芸は、井原西鶴の浮世草子、近松門左衛門の浄瑠璃など、上方のことば遣いでした。江戸、武士、男ことばなどは、荒っぽく粗野なイメージでし…

日本語の遍歴

日本語を総覧してみると、万葉の頃は、歌垣として、情愛の呼びかけでした。歌垣は、言霊という呪術的な力の働きが加わるとはいえ、今のコンパのようなものです。その後、お上の勅選和歌集では、選者が記述して記録していきました。 紀貫之の土佐日記「男もす…

ネットと世間

世界に有数の、日本の、大量の数を誇るブログや掲示板などへの無記名の書き込みは、よくも悪くも昔ながらの「世間」の存在を感じさせます。私のように常に読み手と向きあい、文章を書いてきたものには理解しがたいことでもあります。 そのエネルギーには、よ…

文字への思い入れ

私は欧米のことばにやや近い感覚のものとして、これまで関西弁、広島弁や博多弁などを挙げてきました。音声以外の日本語の研究はたくさんあるので、興味のある人は学んでください。言語で文字によって表せるものは、書物で学べるからです。 文字の発明、紙の…

主語のない日本語

「日本語には、subject(主語)がない」などという批判は、欧米のグラマーに日本語をあてはめているからです。ボクシングのルールで、柔道をjudoにしてしまったのも乱暴なことだと思います。 伝統を尊重する私も、このところの柔道、相撲、野球といった、か…

日本語は会話向き

日本語は、対話型のコミュニケーションには、不向きな言語です。すでに関係ができている相手に伝えるには、うまく使えるのですが、初対面、特に1対多では、混乱しやすくなります。人前で話すのが不得意な人が多いでしょう。 主語を出さず、受け身で婉曲に伝…

対話と会話

「日本には会話しかなく対話がない」、と言われてきました。対話とは、第三者を聞き手においた対談を考えるとわかりやすいのでしょう。1対1で話していても、その2人の中でなく、他の人が聞いてわかる、つまり、ドラマの出会いのシーンのように、観客がいても…

日本人と日本語

日本は、古くは中国から、近年は欧米からの影響を大きく受けました。そのために翻訳による知識の導入、それは読み書きが中心となり、日本語という言語を特殊に発達させてきたのです。 日本語は文字に複雑ですが、音声にはシンプルです。音声での言論である対…

ヴォイトレでの立場

ヴォイストレーニングをヴォイトレを略するのは、日本人が2拍、しかも2×2拍(4文字)を好むからです。本当は、ボイトレの方が日本人にはよいでしょう。 パーソナルコンピュータ→パソコン、合同コンパ→合コンなど、あらゆるものを○○/○○と略するのは、日…

蔵言のブーム

蔵言とは、「よいことばに学び、悪いことばに学ばない」ようになるための、「どんなことばからもよくなる方に学ぶ」ための試金石と思っています。 人との付き合いにも似ています。相手の悪いところに目のいく人は、よいところに目のいく人よりも、その人とう…

人のことばの使い方

引用するのですから、自分の論に絡めなくてはいけないのですが、鋭い人には、面倒な解説なしに「○○が○○と言っていたよ」だけで済んでしまうのです。これがアナロジーのよさです。どんなことばも価値は受け止める人によるのです。 とはいえ、同じことでもくり…

他人のことばを使うということ

他人のことばを使うというのは、どういうことかというと、私は、最初は自分のことばだけで述べていたのですが、どうしても、原因や理由づけには若い自分の体験だけでは説明できずに、権威筋の理論や論文、科学的データなどを使うことになったわけです。まと…

南流石さんに学ぶ

心して聞いて欲しいことがあります。振付師、南流石さんのことばです。習い事の4つのステップです。 「他の振付師とか、踊りの先生は『君が楽しまなかったらお客さん楽しめないよ』って必ず教えちゃうんですよ」私は真逆なんですよ。『お前ら楽しむな。私の…

アナウンサーとキャスター☆

日本はメディアに主義主張の偏向のあってはならない、というおかしな国です。正確に内容を伝えるだけが報道である、ということです。そういう本来はありえない未熟なジャーナリズムには、ルックス本位の人の未熟な声が魅力的なのでしょう。 本当のことをいえ…

メニュの使い方(外郎売り)

ヴォイトレでは、声中心にしたいものです。それは当たり前のことなのに、日本ではそうなっていません。 ヴォイトレで、本質的なことをやりたいなら、本質的なメニュとそうでないメニュを区別しておくことです。 とはいえ、こういう説明もあまり意味が伝わら…

口を動かさない

私のテキストには声を安定させるまでは、あまり口を大きく動かさない(発音より発声優先)のです。その期間、あまり表情を使わない人は、補強するトレーニングを本に入れてあります。 高音の練習になるにつれ、表情は動き、太もものあたりにまで支えが求めら…

発音の前に発声(劇団四季とオペラ)

声楽家が滑舌トレーニングを基礎に入れていないのは、口形を変えることで、声の質に影響が出てはよくないからです。魅力的な声の共鳴、輝きと発音のクリアさは最高音になると、両立しがたくなります。オペラ歌手は当然、共鳴の完璧さを取るのです。 初心者の…

ベテランアナと新人アナの違い

若いアナウンサーの場合、日本では声もできていない状態でTVに出します。すると、どうしても発音のため、口形重視となります。表現力のないアイドルアナをすぐ起用するのが日本です。それをいうなら歌手も声優も役者もレポーターも、すべて似たようなもので…

滑舌

声優、ナレーターのように「滑舌をよくしたい」なら、私の本のCDで、優れた声優をまねると、人並みになります。それを続けながら、基本(体―呼吸―発声―共鳴)に戻していくことです。そこは人によって異なりますし、その人が何をどこまで求めるかによります。…

ことばを大切にする

音楽で伝えるのに、本来ことばは必要ありません。ことばがなくても、ピアノやトランペットは音で伝えることはできます。そういう言い方をしたらそうなるということですが、多くの歌手は、ことばを大切に伝えています。歌は、声と言葉があるから楽器に勝ると…

英語は発音より発声から

日本人の英語の発音は総じてよくなりました。しかし、発声の息とリズム(強弱)がよくないのです。口先で英語を器用に発音しているだけです。英語らしい雰囲気で聴かせているだけといってもよいでしょう。声は前に飛ばないし、強い息にのっていない。歌も声…

フレーズでのトレーニング

たとえば、高いところを歌うのに「とわのこころに」というのを、「とわ」に比べて「こころ」がうまく声が出せていないときに、母音で「おおお」としたり「とわのとわのに」にしてみます。「こころ」というひっかかり(本人のネック)をやさしいメニュに置き…

ことばが聞こえにくい声を直す

明瞭な発音には、唇、あご、舌、喉(声帯)などが、スムーズに連動していなければなりません。発音より発声、発声より音の流れを優先することです。 その中でギリギリ、ことばをのせていくか、最初からことばで言い切って、それを音の流れでつないでいきまし…

ヴォーカリーズのレガート

アの母音から、口の中のかたちを変えないつもりで、順に「ア→エ→イ→オ→ウ」と、つなげて声を出します。出しやすい高さの音でやりましょう。 顎を手で(親指で強く)押さえ、どの音でも顎が動かないようにすることです。音が移るときに、スムーズに口も響きも…

日本語で歌うときの問題☆☆

日本語を深い声で歌おうとすると、かなり意識的に努力することが必要になります。そこで、やわらかく浮かして、響きでまとめ、マイクを前提にした歌い方を取り入れてきたわけです。音響加工が加わると、本当は表現として成立していないのに、通じてしまうの…

声の芯とイメージ

声に芯があり、歌に線があり、線に変化があって、その線の動きの変化を捉えてはじめて、聞く人はヴォリュームを感じます。徐々に大きくなっていくことで、感情が盛り上げられ、高揚します。歌というのは、だいたいそのようにつくられています。 他人の感覚や…

声の大きさのデメリット

声の大きさは、自分の歌を相手に伝えるために、表現上で必要とされることの一つにすぎません。自分のメッセージが上手に伝えられるならば、歌はそれで充分です。むしろ、声量をもって、歌の効果を損ねるのはさけるべきです。声のよい人、声量のある人が、あ…

パワーとインパクト

多くの人を感動させるのに、パワーはなくてはならないものなのです。ただパワーと感じられるものは、声量だけではないということです。むしろ、インパクトとしての鋭さ、変化、動きの方が問われます。 歌は声の大きさでなく、イメージの大きさで歌うのですが…

声量と余力

声量と歌の伝わり方は別問題です。声量は、人によって違います。歌を展開の中でもっともみせられるように声量は定まるのです。そのため、一定ということはなく、刻々と表現に応じて、音色も響きもトーンも変化します。高い声や声量を使ったところばかりでな…

声をそろえる

苦手な母音は、どうしても響かない声になってしまうものです。こういう場合、弱点をなくすより、できているところをより厳しくチェックして、完成させていく方がよいでしょう。他の条件が宿るまで放っておくのも、一つの方法です。もっとも出やすい音(発音…