夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

要は使いよう

一人で、黙々とやっていくと、人は考え悩みます。いろんなイメージが思い浮かびます。ほとんどは雑念です。それを切るには、何も考えないことです。でも、そんなことはできないなら考え尽くす、ことばから離れるために、ことばをありったけ使い尽くすというのです。公案問答のようなものです。

 習い事を、真っ白の心で始めて、そのまま無心で身についていくなら理想的です。ですが、本気でやろうとするなら、そういう人はほとんどいません。

 一流になる人は、誰よりも一流の人の演奏を聞き、本も読んでいるものです。それは、芸事でも同じでしょう。より新しく、より高く、より深く、物事を極めていくのに、どうして過去の偉業や他の分野の一流の人から学ばないことがあるでしょうか。

 理想というよりは、ことばは必要悪なのです。「ことばは、不要」というのは、「歌なら歌っていればよくなる。声は出していればよくなる。レッスンはいらない」と思って伸びない人の考え方です。そこでうまくいくならよい、いかなければレッスンにいけばよいのです。本や会報も同じです。使えると思えば使えばよいし、使えないうちは使えないのです。いつか活かせるように待てばよいのです。

 「方法やメニュを使うと悪い方にいく」というのは、「声楽を学べばポップスが個性的でなくなる」というくらいに安易な考えです。ポップスを聴かず、自分の表現も追及せず、声楽で言われるままにしか声を出していなければ、そうなるでしょう。それしかしていないのがおかしいのです。自分のしたことしか出てこないのはあたりまえです。

 本や会報やQ&Aを、いくら読んだところで、声も歌も身につくわけがありません。日本人は、検定クイズのようなものが好きなので、ハマってしまう人もいるでしょう。それを戒めるなら、「ことばは、不要」といえます。