普段から声のトレーニングをしておくことで、「今日はここまでにしておこう」と判断できるようになります。舞台では、明日や明後日があるなかで、今日だけ燃え尽きるのか、それとも次につなげるのか、その選択を瞬ときに行わなければなりません。もし昼公演と夜公演がある場合、昼に全力を出し切ってしまえば夜には声がもたなくなります。
今は失敗に対してとても厳しい時代ですから、一度チャンスを逃すと次がなくなることもあります。
ですから、本番で考えるのではなく、練習のなかでも、喉を痛める経験をし、自分の限界を知っておくことが重要です。限界を知ることによって、自分がどこまで声を出してよいかを理解できるようになり、それが結果的に長く舞台に立つための力になります。