生き生きと「生命力」にあふれ、「リアル」に3D(立体感)に迫ってくるものが、表現としてすぐれたアートです。その声で伝わるその人も生き方は、生きる力を与えてくれます。
それがどうしてなくなったのでしょう。意識として、それに対抗する「死」がないからでしょう。
日本では3.11で身近に死が迫ったとき、歌は一時命を吹き返しました。でも、人間の歴史のなかで死は常に生に対峙して、身近にあったのです。命が危険にさらされたときの感受性の鋭さを失い、舞台では創造性は駆使されてきました。今やアートは、好きの延長上のひまつぶしでしかないのでしょうか。