ことばと歌と、どちらが先かというようなことは、定義にもよります。この2つを明確に分けることは、本当はできないのですが、それぞれに便宜的に分別しているわけです。しかし、私はストレートにことばのない歌、スキャットなどを考えたら、すぐにわかることだと思います。
ことばをもたないものとして動物をあげました。聖書では、「言葉のないものは人間でない」ということですから、赤ん坊はまだ人になっていないのです。
生まれてからの言語習得プロセスをみると喃語という、ムニャムニャ語の時期があります。このときになんとなく節回しがついて、鼻歌のように聞こえるものがあります。「ダアダアダア」とか「アーアーアー」とか、これは歌としてみてよいと思います。