トレーナーは、相手の様子から姿勢、表情、喉まで、瞬時に自らの体にスキャニングしているわけです。ヴォイストレーナーなら相手の発声の状態から声とその周辺のスキャンをします。
例えば、声の音源だけでも顔の向きなどもイメージします。イメージしにくいときは、声を似せて、そこでの違和感をみて直そうとします。
原則は、認識です。自分をモデルとして、相手とのギャップとの認識をします。そのギャップをふまえ、自分でなく相手のあるべき理想像を描きます。そして、一致させるノウハウが指導となるのです。
ここに2つの大きな落とし穴があります。第一は、自分を見本にしてよいのかということです。
ここには、プロやベテランだけでなく、全く別の分野の人も来ます。自分では、足りないことがたくさんあります。
向うは信頼してレッスンにいらしているからよいのですが、私は疑い深く追及します。何人かのトレーナーと分担させるのが、次善の策です。見本が一人のトレーナーに偏らない分、リスクヘッジできます。
1. 本人とトレーナー
2. 本人とトレーナー複数
3. 本人とアーティスト
4. 本人とアーティスト複数
5. アーティストと本人の間としてのトレーナー
6. 一流のアーティストで誰にも合いやすいケース
7. 一流のアーティストで本人に似ているケース
8. 本人の次の段階(理想)
一流のアーティストのイメージを借りるのが、もっともよいことです。しかし、それを自分とどうマッチングさせるのかには、けっこうな経験がいります。一流ゆえに、相手と離れているし、根本的に理想像とかけ離れていると使えません。そのギャップを埋める聴覚からのトレーニングが必要です。