生きているなかで、生活のなかの言動は、しばしば、まわりの人の心を打ちます。語りはせりふであり、歌です。私はよくリアリティと言いますが、声はリアルであれば、その人がその人であるという、絶対的な存在として伝わります。
話と歌の評価を聞く人がいますが、歌にならなくても、声を出しているだけ、ことばを発しているだけでも伝わるものは伝わるのです。
メロディと歌詞を間違わなければ、歌としてうまく伝わると思い込んでいる人ばかりになりました。
生活のリアルにさえ敵わないリアリティであれば、歌う必要はありません。しゃべって伝えてもよいでしょう。日常のものがリアルに聞こえないから、リアリティがアートに問われるのです。