滑舌に悩む人に、早口ことばで、と考えて実行しますが、それで直らない人とか、その上でさらなる完成度とか表現力を問う人には、早口ことばは、もはや最適のメニュでないわけです。
元より、発声が発音の基本ですから、発音から発声―呼吸と、基礎を掘り下げていくことをします。口の開閉をはっきりさせなくとも早口ことばは言えるようにします。
噺家などはこういうマニュアルは使っていません。ベテランのアナウンサーも、口の開閉の幅は新人のアナウンサーよりずっと少ないでしょう。新人の頃は、使ったとしても、最初からそんな練習法はなかったはずです。噺家や役者、芸人の滑舌がアナウンサーに劣るとも思いません。