夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

日本のミュージカルの難点と克服法

 ミュージカルには現実的な対応がせまられます。舞台のスケジュール中心に動かざるをえないからです。研究所には、さまざまな人が来ますが、ここのところ多いのは劇団(ミュージカル俳優で、声楽の経験のない人)です。オーディション対策の若い人に加えて、30代、40代の中堅どころになって、声が劣ってきたと感じる人です。演目の多様化で、声楽の発声では出せない声を求めていらっしゃることもあります。

 もう一つの理由は、その人が教える立場になるからです。自分でやってきたトレーニングが、そのままでは、若い人に通用しないことが多いのです。指導しても、自分たちのようには伸びないのです。

 ミュージカルは、マイクが使用できるので、声楽の基礎レッスンでの対応が無難です。オフシーズンのように、集中してトレーニング期間をとれると理想的です。とれない人は、舞台の合間にヴォイトレを行います。

 疲れている声に対して、できるのはクールダウン、声のバランスを取ること、声を休めることです。そのレベルでのレッスンが役立ちます。

 これは「プロの舞台への応用トレーニング」の位置づけに当たります。呼吸や体の使い方、何よりも、その人の中心となる声を調整していくのです。若手やJ-POPSの人に行うのも、こういう調整からです。

 

 メニュの中心はスケール、レガート、ロングトーンなどです。これはアスリートのベンチの裏に控えているマッサージ師のようなものです。試合での疲労を回復させたり、次に残らないようにするのです。そのマッサージで、筋力がつくなどということはないのですが、声については、そういう勘違いが多いです。

 

アスリートが、基礎の力をつけるのはシーズンオフです。そこでは体力、筋力をつけ、フォームを修正して、シーズン開始にそなえます。オンすると同時に一気にブラッシュアップします。

私も水泳では、一冬でタイムが3割も縮まりました(初心者ならではの効果です)。育ち盛りでしたから、2年間で肩幅がでて、逆三角形になりました。

 相乗効果を出すためには、週1日で10年よりは、週7日で2年の方が大きいのです。若いうちは、最初に徹底してくり返して、身につけることです。声でなく、トレーニングができる習慣を身につけるのが大切です。

こういうことがわからない人が多くなりました。週0日よりは週1日の方が効果は大きいというローレベルでのヴォイトレが一般的になってしまったからです。セーブしたり休むから、喉が疲れない、壊さないだけだとしたら、それはトレーニングではありません。