芸人にとって声は、自分の芸を支える柱の一つです。どれだけすぐれたネタを書いても、声が届かなければ伝わりません。声を鍛えることは、芸を確立することと同じ意味を持ちます。憧れの芸人や歌手の声をまねて練習を始める人は多いですが、そのままではモノマネに終わってしまいます。
本当の成長は、自分の喉や身体の可能性を理解し、その上で声をつくっていくことにあります。
師匠に教わる芸も同様で、完全に模倣から始めても、十年経ったときに自分なりの表現を見つけられた人だけが一流になれます。師匠の形を超え、自分の声を見つけることが、表現者としての自立なのです。