実践形式のトレーニングを分けるとしたら、10くらいのランクがあるのです。
2までは誰でもやればよい日常の延線上にあるものです。3から先は、プレイで必要とされることによって専門特化していくのです。バスケット特有の動き、トレーニングを、テニスや水泳の選手がやっても仕方ないでしょう。3からが、プレイには不可欠なものなのです。
カール・ルイスは、100メートル、200メートル競走と、走り幅跳びを兼ねました。高跳びやハードルはやりません。これは3から先のトレーニングが矛盾するからです。つまり、速く走るための理想の体と、高く跳ぶための理想の体が違うのです。ストレートにいうと使う筋肉が違うのです。高く跳ぶ筋肉は、早く走る筋肉と矛盾してしまうのです。
これを声や歌に置き換えると、どのようになるかを、私は課題としてきました。高い声と低い声、細い声と太い声。声域と声量、どこまで両立し、どこで矛盾するのかは、簡単に述べられることではありません。スポーツ以上に個人差があるのです。ヴォイトレにおける3とは、いや4~10とは何なのでしょうか。私がよく使う声の基本表を掲げておきますので、考えてみてください。
<基礎>
1.体
2.息、発声
3.共鳴
<応用>
4.発声、ことば、フレーズ感
5.リズム感。温感
6.構成、展開
<本番>
7.キャラクター
8.状況対応力
9.オリジナリティ、世界観
10.オーラ、人格、人間力