もっとも入りやすいところから入り、今もっともよいものをみつけます。そして、その他のものをそれと同じに揃えていきます。これが、よくある発声練習、ヴォイトレと呼ばれているものの一つです。しかし、私は、そこに他を揃えるまでに、もっともよい声は、もっともましな声にすぎないのですから、もっとつきつめることと考えます。その声をベターからベストにしていくことが、トレーニングの目的です。つまり、
1.ベターをベストにする
2.ベターに、そうでないものを揃える
目的には、この2つが伴うべきなのに、大体はここまでいきません。1がないのです。できていると思って、甘いチェックで通り過ぎてしまうのです。多くは、ピッチのチェックで音色をみていません。
2は1のために必要なのに、2は2で終わってしまい、1のベターがベストにならないのです。むしろ、ベターがベターでさえないものに劣化して、揃えていく傾向が、多くの人にみられるのです。声量、音色を無視して、声域とバランスだけで揃えようとするからです。