声の出方(声帯)の状態だけからみてメニュを与えるのは、医者や言語聴覚士なら必要なことでしょう。しかし、体を変えて呼吸のコントロールの力をつけるのに、深い呼吸を最初からコントロールできないから、大きな呼吸を必要とするのです。大きな声を必要悪で使うこともアプローチの一つです。これは、大きな呼吸が深い声に変わることが目的で、大きな声が目的ではありません。
でも、ヴォイトレで出せる声より大きな声は、本番でうまく使えないので、大きな声もある方がよいのは、言うまでもありません(この前提がすでに今のヴォイトレ、今のトレーナーにはなくなっているのです)。大きな声を使わないというのと、必要がないというのは、別です。使えなくて使わないのと、使えるが使わないというのは、大きな実力差、表現力の差になるのです。