才能と素質があって、たやすくできてしまったがゆえに、人を育てる術を学べないことはよくあります。若くしてプロになる歌い手や俳優などは、その典型です。大して習わないで、一人でけっこうなところまでできてしまったからです。
それから、どこまで伸びたかで違ってきますが、心技体で分けて、どれかが弱くて努力して乗り越えたなら、そこのアドバイスはできます。すべてが備わっていて強かった人は、気づかなくてもできてしまったゆえ、他人には伝えにくいでしょう。優秀ゆえにできてしまったことは、そこが教えるときの盲点となるのですね。
一人のトレーナーでみると、誰でも得意、不得意があります。案外と、優秀というのも欠点です。その「得意」を周りの人は学ぼうとしますが、それは、なかなか伝えられるものではないからです。事実、プロをたくさん育てたという歌手出身のトレーナーもいますが、その人を超える実力、声力のある人は育てられていません。