プロについては、心身が一般の人よりはるかに高いレベルでの自己管理ができているのが、前提です。それが欠けていたら、そこからです。
a.調整、修正、原状回復、老化防止、リタイアからの復帰、応用
b.成長、強化、変化、完成度を高める基礎
aで、もっとも早いのは、トレーナーの発声をコピーすることです。となると、似たタイプのトレーナーがわかりやすい。早く仕上げるのに有効で、歌となればカラオケ上達法です。
でも歌のうまい先生やプロヴォーカリストについてみて伸びた人はそう多くないでしょう。かなり本人の地力が問われます。
それよりも、私はその時点で最適な目標となるヴォーカリストや作品をサンプル、材料として聞かせるようがよいと思います。どちらもまねとして固めるくせのつくリスクがあるので、毎回チェックします。
すでに固めている人が、そういうものでイメージから固めなくなったり、一時、別の固め方に移動して今のくせから解放されるのは修正とみてよいでしょう。
口内の形を変えたり共鳴のポイントを教えるのは、私からみると、応用、技術です。そこで基礎としてつかめる何かが得られる人もいます。そういうことでは、否定はしていません。
しかし、軟口蓋をあげて喉頭下げて声道の共鳴空間を広げると、より響く歌声になる―というのは、基礎というより応用の一つのように考えています。
早く喉声や喉の負担を脱し、発声の感覚を変えるのです。そこで便利でわかりやすく結果の出やすい方法の一つです。ここで述べた、一時移動の応用なのです。