円でいうと上から右回りに右側が呼気―発声とすると、下から左側が呼気なのです。左側のトレーニングで右側が乱れるのは必要悪です。それをだめと言うなら円は小さいままです。左がないのに右だけで大きく強くしようとすると破綻します。
楕円にしてから大きな円にはできるので、先に右を大きくすることで覚えていく方法もあります。大声で歌っていたら呼吸も大きく伴ってきたという天然での上達の人、素質や感覚に優れ、一流のアーティストの写しができたような人です。
ヴォイトレに来る大半の人は、そこで伸ばし切れずにいますから、左側だけの部分に、集中して、意識的にトレーニングをします。これが呼吸トレーニングとか呼吸法とか言われるものです。私は、「息吐き」と言っていました。体と声を結びつけるのは、息だからです。