夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

13.知識/医学/科学

介入と非局在性

ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」というベストセラーがありました。現実化したのは思考、選択した結果ということです。 芸術は、時空を超えると言ってきましたが、あらゆるものもまた、そうなのです。そして流れている、つまり絆なのです。 「今、こ…

固有振動数

ものが振動で共鳴、共振するとき、その振動数は決まっています。これを固有振動数といいます。 最近は、これについて、体内の細胞や臓器との関連で研究されています。固有振動数の乱れで病気になるなら、それを整えて治すという考え方です。 実際に音楽療法…

声と血管☆

「人は、声とともに老いる」 これは、アメリカの医学者、ウィリアム・オスラーの「人は、血管とともに老いる」のことばから、私が仮借したことばです。 声帯への補給路は、一本の血管ですから、血管と声とは深い関係にあるわけです。 血管は、体中に10万mほ…

原点は赤ん坊☆

小さな体でも、赤ん坊の声はよく通ります。遠くまで聞こえます。その声量にさえ負けているのなら、学ぶことはそこにあります。しかし、その声を出せるようになったところで何ともなりません。 小さな体でも、あれだけの声を出せるのだから、私たちはもっと大…

日本語は、文字で聞く☆☆

私たちは、耳から入ったことばを文字化し、漢字をイメージして捉えます。 それに対して、欧米の人は、あの記号でしかないアルファベットの文字をみて、音化して捉えていると思います。 表意文字ideogramと表音文字phonogramの違いを考えてみましょう。 漢字…

受け身での言語☆

私たち日本人は、外国語を、彼らに何かを「言うため」ではなく、彼らから「聞くため」に学んできました。 そこにあったのは、日本語にはない新しい感覚や価値体系、その発見と学びです。 それこそが外国語を学ぶ意味だと思うのです。

排出物への親しみ

身体の内側から外に出ると、汚いものとなります。鼻水、唾、小便、大便、ゲロ、垢、フケなど、涙を除いて、きれいと思われるものはありません。 でも、内にあるときはそうは言われません。内といっても体内ですが、体の中ではありません。穴や腔や筒というと…

真相

真理を求め続けること、たとえば、ミステリー小説を読んでいく途中、その真相がわかるとミステリーは終わります。そのストーリーは、半ば死ぬわけです。一冊が終わることなく、謎が解かれず終わるのは、残念なことと思います。 しかし、多くは、その後も少し…

八雲と声☆

小泉八雲は、左眼は失明、右眼も強度の近眼でした。その分、聴覚が鋭かったともいえましょう。 見るのは主体的、聞くのは受動的です。聞くのは、体感し身体的にくるものです。 彼が、船のエンジン音を「コトシヌシノカミ オオクニヌシノカミ」など「カミ」と…

専門性

科学的な本についての批判、少なくともヴォイトレにおいて、発声の原理や共鳴の分析などが、何らトレーニングとは関係ないことは、これまで述べてきました。生理学、音声学での科学の統計、法則、理論は、歌唱やせりふの練習での本人の変容と関連づけがされ…

基本は声☆☆☆

「人物判断の基本は声、その人の人間的な成熟度がわかる。成熟度が低いと声が平坦、声種が一つ、基本的に子供で歳はとっていても経験の質が豊かでない」内田樹氏のことばです。

日本の歌は、音楽より詞

クラシック音楽で確立された楽譜は、音の高さとその経緯(時間)を表しています。リズム(この場合、長さ)とピッチ(音高)は表記できても、音量、さらに音質はわかりにくいのです。神楽、民謡、わらべ歌や邦楽は、後者を優先します。日本の歌はことば、詞…

日本人の耳はよいか

歪みを、あえてよしとするのも日本の特徴でしょうか。能管に詰め物をして、それを喉と呼びました。三味線のさわりも同じ効果を狙ったものです。邦楽ではハスキーな喉声に馴染みがあるわけです。 歌に対しては音色を聞かない。楽器のようには聞かない。聞けな…

ことばの音楽性☆

日本人の会話は、ときに音楽的と言われます。時に方言はそのように聞こえるようです。日本語は、母音がつくものが多く、濁音や詰まるような音があっても柔らかく聞こえるからでしょうか。 私の海外滞在の経験では、リスボンの街のポルトガル語を、もっとも音…

国際比較という視点☆☆

「声を嗄らす準備はいいか」(WカップCM)は、日本人にしか考えつけないコピーです。私としては、共鳴できないフレーズです。 音声において甘いレベルの日本では、国際レベルに出ていくのは、今のところ難しいところです。それでも、かつては、芸や芸術とし…

声での支配

欧米人にとってのスポーツが、その階層社会の最上位であった貴族階級の体づくり(体格、体力、闘志)に基づくものであったことは、よく知られています。弁論をはじめとする声での支配もしかりで、ともにエリート育成のためという同一線上の目的であると思い…

身体能力としての声☆

声は、身体の能力の一つです。インターネット普及の前に電話網がありました。電話は、声を、そこにいない人ともつなげました。声がつながった瞬間、実際の距離は意識からなくなります。バーチャルなお茶の間に相手と二人でいられるようになったのです。世界…

日本人の声のパワー

応援でもよい、デモでもよいでしょう。声を使うこと、使う場をみつけてください。行き過ぎると暴力をも引き起こすし、そのまま暴力となりかねないのも声の力です。とはいえ、そのパワーのレベルは落ちてきています。特に日本では顕著です。50年前なら、会社…

声の発生と普及☆

原初的には、声は、「危ない」「逃げろ」など、仲間内で使ってお互いを守ることから、集団でする狩りや戦いの場における重要なコミュニケーションツールでした。 そのため、そこでパワフルな声をもつ人、パワフルな声を持つ民族が、生き残ったともいえます。…

声を使えなくした

以前は、カラオケで喉を痛めたという人が多かった。それをカラオケポリープと言ったものです。歌手や役者もステージが続くにつれ、そうなった人は多数いました。無知だったのではなく、それだけ全力で、声を使っていたということです。今は、うまくなったり…

戦いでのパワー

戦いで武勲をあげるには、名を名のらなくてはなりません。昔は、誰が活躍したかは、録画で確かめられませんでした。リーダーは、声が届かなくては、荒々しい集団を統治できなかったのはずです。声や太鼓など、音の共鳴力が、武器や人数といった基本の戦力を…

科学についての結論

「科学は、気の向いていない人に真実を飲み込ませる唯一の方法」とマズローは言いました。つまり、本当はそうでないと思う人が科学によって騙されるということです。でも、騙されたことに気づかないからこそ、偉業が成し遂げられることがあるのも事実です。…

理論からの脱却

しぜんにできてきたものを理論化して、発表している人でも、そこで、その無理さ、限界や制限をわかって、疑い、次へ進もうとしている人と、自分のが完全な理論だと有頂天になっている人とは勝負になりません。むしろ、しぜんにできたままの方が、そのままで…

理論の使い方

どんな理論も、それをつくった人がつくり出した背景や状況があります。それは一部しか公けになっていません。どの理論もすべてに通用しないし、現実は、理論に落とし込めるほどシンプルではないのです。 さまざまな仮説は、自らの叩き台になります。全く使っ…

偏りをつくる

偏りのない人はいません。そういう人がいたとしたら、その表現はすべての人に無力に思うのです。私のところはあらゆるタイプの人、他のスクールやトレーナーでは通じないような人も多く来ます。そこで、トレーナーやレッスンについて偏りをなくすよう努める…

分析の限界

私は、声のレッスンを科学的にも分析してきました。実験科学のようなものです。いくら何をやったから(方法)、こういう効果(結果)が出たといっても因果関係は証明できません。 学会などでは「十数名に実験したところ、この方法を用いると半分以上の人がよ…

当てはまらない人

天才的な人、オリジナリティあふれる人、これをプラスの極とし、人並み離れてうまくいかない人、鈍い人、これをマイナスの極とします。この両極の人には、メニュは、ほぼ当てはまらないのです。これを一本の線上に並べてプラスマイナスの極とみるよりは、平…

トレーニングにおける効果について

私は、考えるとあたりまえなことを、なぜ多くの人は考えずに人に聞くのか、人に聞いて、それを鵜呑みにできるのかを不思議に思うことがあります。 私もいろいろ聞かれる立場なので「私はこう思う」と言うこともあります。研究所でトレーナーが断定しないとし…

体の復活

達人の域の手技をもつ先生が来所されました。そこで体験したことは、武道にも通じる、神経というか経絡というか、ある感覚を思い出しました。 誰しも年齢を経ると日常のなかで、老化に抗うことを考えます。1年に1パーセントずつ、筋肉が動かなくなっていくと…

性と声

ほとんどがマニアックなため、研究されず、実践だけされている分野では、喘ぎ声、いわば閨房の世界です。しかし、これは芸能やショービジネスに、まさに直結しているものです。ヌードが芸術にまで高められたのに対して、声では、いささか貶められているよう…