夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

声と創造

言語もその歴史や地理、風土も知ってこそ舞台で歌えるというのが、声楽家や学者や真面目な人で、彼らには信じられない考え方でしょう。学べるものは学べばよいのです。学び方というのは、効率を考えるために、すぐに出来上がったもののまねに終始します。語学もその一つです。

元のもののレベルが高いと、まねでもまねしきれないまま、生涯が終わります。次代かその先に行けたら、よくなる可能性はありますが、大体、その前にも行けないのです。まねのまねもできないと、可能性はさらに低くなっていきます。

 私は、向こうのものをそのまま、移してきたもの、例えば、発声もピアノの伴奏もきれいにこなす先生たちに魅力を感じないばかりか、退屈してきました。そういう人は、語学、発音はもとより、背景やストーリーをしっかりと把握し、それが絶対条件と考えています。でも、本場に行ったり、元のを聞くと、すごいのです。つまり、本質が継承されていないのです。創造的精神が死んでいるのです。

 本当に歌に値するなら、声に魅力があるなら、周りの装置は何もいらないのです。どこでもそこから発生してきたはずです。さらに強めようとして、他でプラスαとして付加されたものが、音響、演出などです。

 そのうち、実力の足らないものを形としてみせるのに、これらの装置や技法が補強として使われるようになります。トータル化されることで声の力もわからなくなったわけです。                    

 問われるのはトータルとしての舞台ですから、アイドルやオペラのようなステージでは、私は判断しません。そこに集まるお客さんがよいと思えばよいと思うだけです。